日本語教育能力検定試験は難しい?合格率などの試験の詳細を解説!
日本語講師を目指す多くの人は、日本語教育能力検定試験を受験します。この試験の難易度はどのくらいなのでしょうか。この記事では、日本語教育能力検定試験の試験内容や合格率の高さなどを解説します。日本語講師を目指している人は、参考にしてみてください。
受験者は女性が多い
日本語教育能力検定の受験者の数を見ると、女性が圧倒的に多いことがわかります。平成30年度の試験では、全体の受験者数が6,801人ですがそのうちの4,833人が女性です。男性は残り1,968人。女性の数が約70%を占めているという結果が見られます。
日本語教師養成講座を受けている人たちも女性が多いです。日本語講師という仕事は、非常勤で働くことも多くなります。この働き方は「長い時間働きたい」と考える、男性には好まれないもの。時間の融通が利く女性が多いのも納得ではないでしょうか。
では、年代別に見るとどうでしょうか。受験者の年代は、20代と40代がほぼ同じ比率にあります。しかし、50代以上の人たちがもっとも多く、なんと全体の40%ほど。このことからも、年齢は関係ないということが明らかです。
試験の内容や配点は
では、試験の内容や配点はどのように構成されているのでしょうか。
日本語教育能力検定は3つの試験で成り立っています。試験Ⅰでは、解答時間90分の中、日本語教育の実践につながる基礎的な知識が出題されます。試験Ⅱでは、解答時間は30分。音声を媒体とした出題形式になっています。試験Ⅲは120分の間に、現場対応能力につながる問題解決能力や教育方法、日本語の歴史などが出題。
さらに、学習活動の支援に必要な能力や異文化コミュニケーション能力などが出題されます。とくに、基礎項目とされている分野は優先的に出題されるでしょう。配点は、試験Ⅰが100点、試験Ⅱが40点、試験Ⅲが100点となります。
気になる試験の難易度と合格率の高さ
では、試験の難易度や合格率はどのくらいなのでしょうか。平成30年度の結果から考えてみましょう。この年の受験者数は、6,801人。それに対して合格者は1,937人で、合格率は28.5%という数字になります。一見すると少ないように思えますが、第一回の試験の合格率から考えると、近年合格率が少しずつ上昇していることが明らかです。
令和元年度では、合格率が28.3%という結果がみられました。つまり、4人に1人以上が合格しているということ。しっかりと準備して臨めば、受からない試験ではないことがわかります。検定試験を突破するために、自分の苦手なところをしっかり把握して対策しておくことがおすすめです。
また、検定試験対策コースなどを受講している人たちは合格率が50%を超えているという結果も見られています。自分で勉強するのが難しい人は、そのようなコースを受講することもできるでしょう。独学で勉強するのであれば、過去問を徹底的に解くことや、テキストを網羅することなどをしてみましょう。地道な努力は、結果につながるはずです。
日本語教育はさまざまな分野で需要がある
日本語教育は、近年さまざまな分野での需要が見られます。もっともポピュラーなのは、国内の日本語学校の講師の仕事です。主に、日本の大学に進学したいと考えている外国人の学習者に、日本語を教えたり、進路指導を行なったりします。また、オンラインレッスンで働くことも可能。インターネット環境さえ整っていれば、どの国の人とでもレッスンできます。スケジュールを自分で組むことができるというメリットも。
さらに、近年では「技能実習制度」を利用して日本で働いている外国人が増えています。「技能実習制度」とは、日本の人手不足を解消するために手段。開発途上国の外国人を日本で一定期間働いてもらう代わりに、仕事を通して得たスキルを母国で使うことができるという制度です。日本に在留している外国人の数はとても多く、それにともなって彼らに日本語を教える日本語講師が必要になっています。
また、日本で企業勤めをしている外国人に日本語を教える講師も必要です。この場合は、企業側が研修の一部と考えて、外国人社員へのマンツーマンレッスンを要望することが多いでしょう。加えて、海外で日本語講師として活躍することもできます。日本語講師の需要が多い国は、やはりアジア圏。中国やインドネシア、タイ、ベトナム、台湾での募集が多い傾向になります。また、オーストラリアやアメリカでも日本語を学びたいという人は多いようです。さまざまな分野で活躍できるでしょう。
日本語教育能力検定の合格率は、4人に1人以上。しっかり勉強していれば、決して合格できない試験ではありません。試験では、現場対応能力につながる問題解決能力や教育方法、日本語の歴史など、日本語教育に関わるさまざまな知識を問われることでしょう。日本語教育能力検定を受ける前には、自分の苦手なところをしっかり把握し、対策しておくことをおすすめします。