日本語教師養成学校を選ぶ際に意識するべきポイントとは?
日本語教師になりたい人が日本語教師養成学校を探す場合、学校選びに迷ってしまうという人も多いのではないでしょうか。当記事では、日本語教師養成学校で学べることや受講費用、受講期間、学校を選ぶ際に気をつけたいポイントについて解説しています。学校選びの基準を明確化し、自分にあった学校を見つけましょう。
日本語教師養成学校で学べる事
日本語教師養成学校は、日本語教師になるために日本語の文法や発音などの知識を学び、実践的な技術を習得することができる学校です。講座は文化庁が示した「日本語教師養成のための標準的な教育内容」に沿ったカリキュラムになっています。
内容は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5区分に分かれ、文化庁に届出受理された420単位以上の講座を修了できるように構成されています。
ただし、日本語教師養成学校での講座を修了すれば、日本語教師としてどこでも働けるというわけではありません。外国からの留学生を受け入れている告示校で日本語教師と働く場合、420単位以上の日本語教師育成講座を修了するという条件に加え、4年制大学の卒業が必須条件となるため注意が必要です。
日本語教師養成学校の受講費用の目安
日本語教師養成学校の受講費用は約52万円〜56万円です。学校により講座の内容やサポートの充実度はさまざまです。日本語学校を併設している学校では、より実践的な授業を受けられたり、遠方から通う生徒のために格安の滞在施設を用意してくれたりする学校もあります。金額だけで判断せず、学校の特徴を確認するようにしましょう。
また、教育訓練給付金制度というものがあり、講座を修了したタイミングで10万円の給付金をもらえることがあります。受講しようとしている学校が給付金の対象であるか、ご自身が対象条件に当てはまるかを確認しましょう。
日本語教師養成学校の卒業までにかかる期間
日本語教師養成学校を卒業するためには日本語教師育成講座を420時間以上受講する必要があります。卒業までにかかる期間は6か月〜1年です。学校によっては2か月で420時間の授業を受けることができるため、早く卒業したい場合は短期集中で卒業できる学校を選ぶとよいでしょう。
また、日本語教育能力検定試験に合格することで日本語教師として働くことも可能です。毎年10月に実施される検定試験に合格すると、養成学校を卒業するよりも早く日本語教師の資格を取得することができるかもしれません。
しかし、日本語教育能力検定試験は一定の知識があることを証明する資格であるため、養成学校のように実践的なスキルを取得することはできません。費用や時間がかかったとしても、日本語教師養成学校で学ぶほうが、実践的なスキルを身につけることができるでしょう。
日本語教師養成学校を選ぶ際に意識するべきポイント
日本語教師養成学校にはさまざまな学校があります。後悔することがないように学校を選ぶ際に注意しておきたいポイントについて紹介します。
■文化庁届出が受理されているか
「日本語教育機関の法務省告示基準第1条第1項第13号に定める日本語教員の要点について」によると、日本語教師養成講座は文化庁への届出が受理されている必要があります。通っている学校での講座がこの届出の受理をされていない場合、外国人留学生を受け入れている学校で日本語教師として働くことができません。文化庁届出が受理されているかどうかの確認は、文化庁届出受理番号の有無で確認することができるため、必ずチェックするようにしてください。
■授業内容・サポート体制
学校によって授業の内容やサポート体制は異なります。生徒一人一人に専任のスタッフが付き講座修了までしっかりサポートしてくれる学校や、日本語教師の現場をイメージした実習授業をたくさん受けられる学校など、学校ごとに特徴はさまざまです。また、少人数で授業を行っていたり、授業の振替ができたり、オンライン授業を行っていたり、授業のスタイルも異なります。自分の性格やライフスタイルに合わせて学校を選ぶようにしましょう。
■就職・転職のサポート体制
日本語教師養成学校を選ぶ際は、就職や転職のサポート体制も調べておくほうがよいでしょう。日本語教師の資格を取れたとしても、働く場所が決まらなければ資格を取った意味がありません。講座修了後スムーズに就職するためには、学校が就職・転職のアドバイスや求人情報を提供してくれるかどうか、事前に確認しましょう。
■場所・時間
日本語教師養成学校を選ぶ際に大切なことは、通える場所、時間帯であるかということです。特に昼間働きながら学校に通うという人は、仕事との両立が可能であるかという点を必ず確認するようにしましょう。理論科目は通信で受講できる場合もありますが、実技を行うために通学は必要です。通学できる範囲内か、平日の夜間や休日に開講しているかなど必ず確認するようにしましょう。
当記事では、日本語教師になりたい人が学校選びをする際に気をつけたい注意点や学校で学べる内容について紹介しました。費用や卒業までにかかる期間も大切ですが、日本語教師として自立するためのサポート体制や就職支援の充実度も重要です。入学してから後悔しないためにも、学校選びは慎重に行うことをおすすめします。ホームページの確認や資料請求をして、納得のいく学校選びをしてください。