海外で日本語教師として働く際に注意するべきポイントとは?
近年の日本のアニメ・漫画人気はもちろん、労働市場としての魅力などに後押しされ、海外での日本語教育のニーズはさらに高まることが予想されています。日本語教師の仕事、とくに海外で働く場合は、大きなチャンスをつかむこともできるでしょう。この記事では、日本語教師として海外で働く際に気を付けるべきポイントを解説します。
海外で日本語教師の仕事に就くメリット・デメリット
海外で日本語教師の仕事に就くメリットやデメリットには、どのようなものがあるでしょうか。日本語教師の仕事自体もやりがいはありますが、海外で働く場合はさらに特殊な事情も加わってきます。まずはそうしたメリット・デメリットを順に見ていきます。
社会的意義が大きい
海外で日本語を教えるということは、その国の生徒たちに日本の文化・伝統だけでなく、ものの考え方や感性まで伝えていくことです。つまり、海外で働く日本語教育者というのは、草の根レベルでの外交的役割も果たしていることになります。その社会的意義の大きさを、やりがいとしてとらえることができる人なら、この仕事はおおいに魅力的であり、メリットとなります。
国内に比べて幅広いチャンスがある
国内の日本語学校で講師として働く場合は、残念ながら給与などの待遇面が優れているとはいえないのが現状です。しかし、海外であれば国内に比べて幅広い就職チャンスがあり、実力と努力次第で給料アップや指導的立場へのステップアップも期待できます。
もちろん、安全面、安定面ではリスクも
チャンスが広がる分、国内で働く場合に比べリスクも大きくなるのはデメリットです。とくに、日本語教師の需要が大きいアジアを中心とした途上国は、治安や衛生面で国内に劣ってしまいます。現地での就職先にもよりますが、いきなり安定した生活が手に入るとは思わないほうがよいでしょう。
海外で日本語教師として働くためには?
ここでは海外で日本語教師として働くために必要なスキル、条件について説明します。もともと日本語教師という仕事自体は、資格よりも経験や実績が重視される職業で、海外でも同じような傾向が見られます。
資格はとくに必要なし!
海外で日本語教師として働くために絶対に必要となる「資格」というものは、とくに存在していません。もちろん、現地の教育機関で雇われる場合に、能力や経験の証明になるものを示せば有利になる場合もあるうえ、選考段階で日本での学歴や職歴、教員資格や各種検定などの有無を問われることはあります。
現地語または英語のスキルは必須
少なくとも日常会話レベルで、現地の公用語か英語を使える必要はあります。語学力が日本語教師としてのスキルに影響するかどうかは、受け持つクラスのレベルや授業の形式にもよるでしょう。もちろん、高い語学力があって困るということはないので、積極的に準備しておきたい項目です。
前向きな行動力が役立つ
海外で日本語教師として働くのにもっとも必要かつ役立つものは、前向きな行動力です。とくに途上国などでの日本語教育は、確立されたシステムや教科書が存在しない、学習環境や使える設備に制限があるなど、難しい条件下でも授業を成立させる必要があります。そうした状況を楽しみながら打破できる人物であれば、日本語教師として海外で活躍できる確率はとても高いといえます。
海外で日本語教師として働く際に注意するべきポイント
海外で日本語教師として働く際には、どういった点に注意すればよいでしょうか。いくつか具体的な注意点を解説します。ただしこれらは日本語教師の仕事に限ったことではなく、海外での就労時には共通する項目です。
就労ビザ取得を忘れずに
海外で日本語教師をする場合は、どんな形で雇用されるにせよ、基本的に就労ビザが必要となります。短期間ならワーホリも活用できますが、実情としてはこの就労ビザ取得が、海外で日本語教師をするうえでもっとも手のかかる準備といえるでしょう。取得方法や申請の基準は国によるので、自分で取得する自信がなければ、実績のある代行業者などに相談しておくのが確実です。
現地の事情を理解しているか
就労ビザ関連以外にも、現地の政治・文化・実生活上の習慣などの事情はある程度把握しておく必要があります。しっかりと下調べをするか、旅行や留学を通してある程度の滞在経験のある国でなければ、仕事以前にトラブルになりかねないため注意が必要です。現地コーディネーターや知人の助けを借りられるのであればスムーズです。
コロナの影響にも注意
上記の注意点に加え、現在はコロナウイルスなどの移動制限も国ごとに異なるので注意しましょう。思わぬ足止めに遭うこともあるので、移動の日程などは余裕を持って組んでおくことが好ましいです。
まとめ
海外で日本語教師として働く際に注意するべきポイントについてまとめました。海外での日本文化の人気、日本語需要の高まりによって、同じ日本語教師でも国内よりチャンスに恵まれているのが分かります。一方で、海外で働くための手続きなど、準備面では注意が必要なことを理解しておきましょう。日本語教師の仕事をしている、または現在目指している人で、前向きな行動力に自信があるなら、海外へ活躍の場を求めることを検討してみることもおすすめします。